今回インタビューに応じてくれた四十代の男性、Aさんは、自身の髪に変化を感じ始めてから現在に至るまでの、生々しい症状の推移を語ってくれました。彼が最初に異変を感じたのは三十代前半の頃で、当時は単に「最近少し髪がセットしづらくなったな」程度の軽い認識だったと言います。しかし、その小さな変化こそがAGAの初期症状である軟毛化の始まりでした。Aさんによれば、髪を洗った後にドライヤーをかける時間が短くなったことに気づいたとき、髪の密度が減っている現実を突きつけられたような気がしたそうです。以前は乾かすのに時間がかかっていたはずが、あっという間に乾いてしまう、あるいは地肌に直接風が当たる感触が強くなったことが、彼にとって最も顕著な自覚症状でした。次第に、職場の明るい照明の下で鏡を見るのが苦痛になり、エレベーターの中やショーウィンドウに映る自分の頭頂部が、予想以上に薄くなっていることに激しいショックを受けたと言います。AGAの症状は、このように光の当たり具合や見る角度によって、ある日突然「露呈」することがあります。彼は生え際の後退も気にしていましたが、それ以上に「髪の毛一本一本が細くなり、束になってもボリュームが出ない」という質の変化に悩まされていました。雨の日や湿度が高い日には、以前にも増して髪がペタッと張り付いてしまい、不潔に見えていないかと常に周囲の視線を気にするようになったと振り返ります。また、枕に付着する抜け毛の形が、かつてのような太くて長いものではなく、ヒョロヒョロとした短くて細いものばかりになっているのを見たとき、自分のヘアサイクルが完全に狂ってしまったことを悟ったそうです。彼は周囲に相談できず、一人で悩む時間が長かったことが症状をさらに悪化させたのではないかと分析しています。抜け毛が増えるという肉体的な変化だけでなく、それに伴って消極的になり、人と会うのを避けるようになるという精神面での「症状」も、AGAがもたらす大きな弊害の一つです。Aさんの体験談からは、単なる外見の変化に留まらず、日常生活のあらゆる場面に影を落とすこの疾患の根深さが伝わってきます。現在は適切な処置を受けているという彼ですが、もっと早く自分の症状を専門家に相談していれば、これほどまでに遠回りをして悩む必要はなかったと、かつての自分に対する後悔の念も口にされていました。彼の語る一言一言は、今まさに症状に気づき始めた多くの男性にとって、重い教訓となるはずです。
薄毛の悩みを抱える男性が語る症状の変化と苦悩