本日は、多くのクライアントの栄養指導を手がける管理栄養士の方にお話を伺います。テーマは「抜け毛と栄養」です。先生、抜け毛の悩みで相談に来られる方は増えていますか。「はい、非常に増えています。特に近年は、若い世代や女性からのご相談が目立ちますね。食生活の乱れが、ご自身が思っている以上に髪の健康に直結していることに、多くの方が気づき始めています。」具体的に、どのような食生活が抜け毛のリスクを高めるのでしょうか。「典型的なのは、極端な食事制限によるダイエットです。体重を落とすことばかりに気を取られ、タンパク質や必須ミネラルが極端に不足してしまうケースです。髪は、生命維持の観点から見ると優先順位が低い器官。体内に栄養が不足すると、まず髪への栄養供給がストップしてしまうのです。また、糖質や脂質に偏った食事も問題です。菓子パンやインスタント食品、脂っこい揚げ物ばかりを食べていると、皮脂の分泌が過剰になり、頭皮環境が悪化します。さらに、過剰な糖質は体内でタンパク質と結びつき『糖化』という老化現象を引き起こし、頭皮の弾力を失わせる原因にもなります。」では、改善のためにはどのような栄養素を意識すべきでしょう。「まずは、髪の主材料であるタンパク質。そして、その吸収と合成を助ける亜鉛とビタミンB群、Cです。これらを『髪の基本セット』として覚えていただくと良いでしょう。しかし、最も重要なのは『バランス』です。特定の栄養素だけをサプリメントで補うのではなく、様々な食材を組み合わせた食事から摂ることが理想です。例えば、肉や魚の主菜に、色の濃い野菜や海藻の副菜、そして主食を組み合わせる。日本の伝統的な一汁三菜のスタイルは、実は非常に理にかなった髪育メニューなんですよ。」食事を見直すことは、遠回りのようで最も確実な抜け毛対策なのですね。ありがとうございました。
管理栄養士が解説!抜け毛と栄養の密接な関係